2012年8月28日火曜日

写真と露出補正とカメラの仕組み

今のデジカメって、誰が撮っても、ピントも合うし露出もそこそこ ... 。
露出ってカメラのです、 勘違いしていませんよね。
私がカメラを使い出した頃は、ピンボケや露出間違いのコマの山でした。
なにこの写真!ガッカリ ... が、写真の腕を上げるひとつの原動力だった訳で ... 。
今のカメラはこんな事ありません。
でも、誰が撮っても、同じような写真って、お悩みのあなたに

適正露光とカメラの仕組みをおさらいしておきましょう。


適正露光・適正露出と言うと必ず出てくるのが、標準反射率 18% という言葉。

大昔から、露出計を使う基本として、一度は目にした方も多いと思います。
無彩色つまり白から黒を満遍なく表現しようとした時、ある一点を基準値として捉えます。
白から黒への真ん中ですから、灰色!、簡単ですね
ある物に光が当たった時に反射して見える状態の平均値が 18% です。
これを基に露出計は設計されていますから、概ね、ちゃんと写ると ... 。
ただ、あくまでも、平均です。 特殊な条件下では補正してやらないと。
白黒写真なら、これで終わりです。

あっ、ひとつ忘れていました。明暗差の問題!
所謂、階調表現。
フィルムでもデジタルメディアでも、自然界の階調を全て表現できる程の余裕はありません。
圧縮して、あるいは、一部を切り捨てて表現します。
ですから、目に入る、とても広大な範囲の中で何処を切り捨てるか考えれば良いだけです。
通常は、真中を取って、両端を切り捨てます。
これに対し、白を重視すればハイキー、黒を重視すればローキーと呼ばれる写真です。

難しいのは色です。
標準反射率は無彩色なので色については無視です。
最近の優秀なカメラは光源色を正確に判別しますが、飽く迄も、光源色で、見たままの色を表現出来る訳ではありません。
白い雪が、灰色や青みがかって写った、
赤い紅葉が、寝ぼけた色で写った、
菜の花のまぶしさが、くすんで写った、
黒い筈のカメラが、灰色に写った、
等など、画面に占める割合が増えるほど影響は大きくなります。
色が露出補正でどう変わるかを経験値として記憶し利用するしか無い様です。
後で、画像処理ソフトで修正という手もありますが、できれば、撮影時に補正しておきたい所!
色相(Hue)、明度(Value)、彩度(Chroma) の 3要素をしっかり頭に叩き込む方法もありますが、私には無理!
興味がある方は 色々雑学 色相・明度・彩度 KonicaMinolta の説明が分り易いです。

参考用に、GIMP で作成した色見本を示します。
中央:擬似的に作成した標準反射率 約 18% の灰色
下部:グレーチャート(無段階で白 0% から 黒 100% へ、中央が50% (反射率 約 18% ))
上部:カラーチャート(GIMP ブレンドでFullSaturationSpectrum>脱色で光度>脱色で平均)
   :RGBR の順に色相が動いて行きます。
   :2段目は RGB の純度を示し、白ければ中間色、黒ければ純度が高い事を表します。
   :3段目は1段目の各色の明度を示し、中央の灰色との比較で、
   :      薄ければ露光をオーバーに、濃ければアンダーに補正する必要があることを示します。
   :      面白いのは、RGB (赤・緑・青/光の三原色) は全てアンダーに補正が必要で、
   :      CMY (シアン・マゼンタ・イエロー/色の三原色) は全てオーバーの補正が必要と言う事。



カメラも日々進化しています。 露出はより正確になっています。
しかし、カメラの種類や利用する測光モードによって露光値は変わります。
従って、そのカメラの測光の癖を掴む事が重要です。
近い将来には、撮りたい物の色温度まで取り込んだ自動露出が可能になるかも知れません。

しかし、皆へそ曲がりで、他人さまと違う写真が撮りたいと思います。
遠い将来には、調子の悪いカメラで傑作を物にした、っなんて時代が来るかも?

(仕事でなければ)何種類も露出補正を変えて撮影なんて事はやめて、一発勝負で決めましょう。
不安な時でもせめて2枚位の撮影に留め置いて ... 。
その繰り返しが、きっと、あなたらしい写真への近道だと思います。

カメラが決めた適正露光ではなく、あなたが選んだ適正露光を!
自分の感性と経験を信じて!



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[2013/07/31] タイトル変更(サイトマップでの順序を考慮)

9 件のコメント:

  1. かなり難しいレクチャー。ブックマークに入れて読みなおしさせて頂きます。
    カメラの進化はこの辺りで止まって欲しいです。新しいカメラでだれでもそこそこ撮れるのはかえって興味をそがれますね。
    ありがとうございました!

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    1. Tomoko さま コメントありがとうございます。

      簡単に書いてなくて ごめんなさい ... 。
      詰まる所、

      図中央の大きな グレー (標準反射率 約 18% の灰色)に写る様に、カメラは露光を調整しています。

      3段目の帯にある様に、白いのと 黒いのが 各3本見えるでしょう。
      ですから、1段目の色を出す為には、
      RGB Red Green Blue では、露光をアンダーに マイナス補正 ( -0.3 ~ -1.0 程度 )、
      CMY Cyan Magenta Yellow では、露光をオーバーに プラス補正 ( +0.3 ~ +1.0 程度 )、
      白 と 黒 では、更に多めな補正が必要になる と言う事ですね。

      この、ふたつ だけ 覚えて置いて下さいね。
      きっと、役に立ちます。

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  2. 雪や白い花を撮る時露出を上げる理由が、少しわかりました。高い反射率にカメラが反応するので、露光で調整してあげるわけですねね。色でなく反射率という事だった。

    今更ですが...........カメラってメカだったのですね~~!
    ありがとうございました。

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    1. Tomoko さま コメントありがとうございます。

      少しは お役に立てましたか。  ヨカッタ ~ 。

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  3. 又基本的な質問ですが。
    上級者の人は絞りとシャッタースピード、ISOだけ調整して、究極、露光補正をマイナスやプラスにしなくても良い写真が撮れるのでしょうか。 


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    1. Tomoko さま お答えします。

      上級者とか良い写真とかの判断はさておき、
      どちらの方法も同じ事ですよ。
      マニュアルで前者の3項目で調整するか、 オートで補正ダイアルを操作するか、 の違いでしかありません。
      分り易い方で もしくは 慣れた方で 調整なされば いい事 です。
      マニュアルだから上級者、オートだから初級者、 と言う説明は成り立ちません。
        但し、刻々と明るさが変わる被写体では、一旦、設定してしまえば、
        露光値は マニュアルなら固定 オートは追従 と違いがありますが。
      どちらにしても、カメラが測った露光値が、どういう傾向なのか(所謂、癖)を掴む事が上達の早道でしょうね。

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    2. Tomoko さま 追補です。

      結局、最近の以下の投稿と同じ事を書いてますね。 直前の私のコメント。
      写真とオート(の功罪) [初心者向け]
      http://shiroyuki-mot-says.blogspot.com/2014/11/camera-auto-good-or-bad.html

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  4. 早いお答え有難うございます。
    よく分かりました。ようやく自分のカメラに少し慣れてきたところです。ここまで数年かかりました~!

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    1. Tomoko さま わざわざ お礼を戴き ありがとうございます。

      今のカメラの形は 少なくとも半世紀以上を掛けて 進歩して来ました。
      ですから、機能盛り沢山で、なかなか、使いこなせませんね。
      私も、未だに、良く分らない機能が ... 。    ああ、もったいない。

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