2015年4月29日水曜日

GIMP 写真の編集 色目を自由に (3) 実践編

さて、前回 の 作業の要点 から、実践に即した 具体的な 手順 を紹介します。
紹介なので、1ヶ所の色目のみ変更します。
複雑多岐の場合には、これを 応用 して下さい。
なるべく簡易に書くつもりですが、基本的な GIMP の操作は習得済みと 仮定しています。


先ず、画像(写真)加工の構想を練ります。

さぁ、行きますよぉ~。
手順です。
  1. 選択範囲の作成
  2. 選択範囲から新規レイヤーを作成
  3. 色見本部分を別レイヤーに切り出し移動
  4. 選択範囲レイヤーを複製
  5. サンプル色付け
  6. 元絵とサンプル色付けを重ね合わせた画像を別保存
例と その編集方針です。
季節外れですが、西洋紫陽花の写真です。  レイヤー名は以下 [元画像] として説明します。
手前の3つある花のうち、左ふたつの花を 右と同じ ピンクに変える方針(例)とします。
  一応、 複数組の色目を変える場合や、 画像に無い色や、 別画像からの色目の流用についても触れます。


左上:元画像 右上:編集例
左下:別画像から 右下:描画色から
右下の描画色は便宜上に左上隅に色を表示

1. 選択範囲の作成
色目を変える部分を選択して行きます。   この例では、左ふたつの花。
  選択範囲の作成方法については触れません。  幾つか方法があるので、やり易い手段で。 
選択範囲が出来たら、新規レイヤー(レイヤー名:選択範囲)を作成して、そこに 選択範囲の塗り潰し をして置きます。(省略可)
  レイヤー(L) > レイヤーを追加(N) > レイヤー名を設定 [選択範囲] > OK(O) >
  ツールボックス > 塗りつぶし > 選択範囲を塗りつぶす > (描画色指定) > 選択範囲内をクリック
このレイヤーの 不透明度 を 50% 位に下げて置くと選択ミスを確認し易くなります。
            下図は、黒で選択範囲を塗り潰し不透明度を下げたもの。  別途用意した白無地背景で表示しています。.
 

作業が終わったら、選択範囲レイヤーを不可視化し、 元画像を選択します。
  レイヤー,チャンネル,... > [選択範囲] レイヤーを不可視(目のアイコンを外す) > [元画像] を選択

    もし、複数の違う色目を弄る場合には、各々の範囲毎に別の色(例:黒 赤 青 緑 と言った具合)で。
    各選択範囲は重なってはいけません。
    後程、加工する部分画像群が
    これで、各々の選択範囲を、この レイヤーの 色域を選択 から選ぶ事が出来る様になります。
    因みに、作業の面倒具合(?)から見れば、この選択範囲を指定するのが、一番、大変です。


2. 選択範囲から新規レイヤーを作成
元画像をいきなり弄ってしまっても構わない訳ですが、一応、別のレイヤーとして切り出します。
  レイヤー(L) > レイヤーを追加(N) > レイヤー名を設定 [サンプル色付け部分] > OK(O) >
  編集(E) > 可視部分をコピー(V) > 編集(E) > 選択範囲内に貼り付け(I) > レイヤー(L) > レイヤーを固定(A) >



3. 色見本部分を別レイヤーに切り出し移動
今度は、変える色目を含む部分を、また、別レイヤーで切り出します。
これは、かなり、ラフな選択範囲で構わないので、 ここでは、矩形(四角形)の選択範囲 で作業します。

切り出したら、レイヤーを変えたい色の部分まで移動して置きます。

  ツールボックス > 矩形選択 > 選択範囲を作成 >
  編集(E) > 可視部分をコピー(V) > 編集(E) >クリップボードから生成(P) > レイヤー(L)
  ツールボックス >移動 > アクティブなレイヤーを移動 > 以前選択した範囲に重なる様にレイヤーを移動
  レイヤー,チャンネル,... >[クリックボード] レイヤー名を右クリック > レイヤー名の変更(E) >
    レイヤー名を設定 [色見本] > OK(O) >
     色見本部分のうち、選択範囲に重なる部分の色が、色見本として採用されます。




4. 選択範囲 レイヤーを複製
サンプル色付け の直前作業です。
実際に加工編集する為のレイヤーを確保します。
  レイヤー,チャンネル,... > [サンプル色付け部分]のレイヤーを選択 > 右クリック > レイヤーを複製(U)
                 [サンプル色付け部分 コピー]と言う名称のレイヤーが作成されます。  必要に応じて名前変更。


5.  サンプル色付け
前回 の 作業の要点  も参考にして下さい。

今は、色見本が表示されたままになっていますので、非表示(不可視化)します。
  レイヤー,チャンネル,... > [色見本]のレイヤーを不可視(目のアイコンを外す)

今は、選択範囲が、色見本として切り出したレイヤー部分になってますので、元の選択範囲を復元します。
  レイヤー,チャンネル,... > [選択範囲]のレイヤーを選択 >
  ツールボックス > 色域を選択 > モード:置換 > 画像で塗りつぶした色部分をクリック(選択範囲を再現 )
  レイヤー,チャンネル,... > [サンプル色付け部分 コピー]レイヤーを選択
     単純な選択範囲の場合、どの辺りを塗りつぶしたかを覚えていますし、
     色見本から飛び出して見える部分があるので、そこをクリックします。
     レイヤーか不可視の状態でも再現が可です。  (正確な場所さえクリック出来れば。)
     もし、 良く見えなかったり、ちゃんと確認して選びたい場合には、
         レイヤー,チャンネル,... > [選択範囲]の上にあるレイヤー全てを不可視(目のアイコンを外す)
         ツールボックス > 色域を選択 > 画像で塗りつぶした色部分をクリック(選択範囲を再現 ) >
         レイヤー,チャンネル,... > [サンプル色付け部分 コピー]レイヤーを選択 > このレイヤーを可視(目のアイコン)

さて、やっと、サンプル色付け。
  色(C) > マップ(M) > サンプル色付け(S) と辿ります。

 

ダイアログが開きますので、
右の画像を 色見本部分レイヤー (ソース)に変更します。.
左右のリストボックスの矢印▼ から、レイヤーを選択   この例の場合は、レイヤー変更は不要です。.

ソースから色情報を取得します。  ソース色を取得(S)   右のスライダーに ほんのり と 色が現れます。.


左右のスライダーを調整して、目的の色が画面に表示される様にします。
  スライダー部分 の 5つの ▲ をスライド 若しくは 数値入力
  分り難いですが、スライダーに表示される色に着目して下さい。
  左画像の黒から白の諧調を、右画像の色で置き換える そんな感じです。
  或いは、左右共、両端の の外側の色を含めない(色を捨てる)と考えてもいいかもです。
  プレビューを見ながら調子を掴みましょう。
     この例では、白っぽい元画像ですから、標準状態では、ほんのり 色付く程度です。
     濃くしたければ、左(入力)の白い部分を捨てる(3番目の ▲ が左に偏る)にします。
     この例では、顕著ではありませんが、
     右のスライダーの中には複数の色が現れます。  これを動かすと色の選別が可能です。

決まれば、 適用(A) を。
  但し、やり直す時には、適用 を押してしまっていると、既に、画像に編集が加えられていますので、
  作業履歴 で戻るか、 キーボードの Ctrl + Z で。  また、取り消し (UnDo) の取り消し (ReDo) は Ctrl + Y です。
続けて何回も 適用 を押してしまうと、その回数分の編集を繰り返す事になりますので、ご注意を。


思う様に行かなければ、そのレイヤーはそのままにして、4. ~ 5. の作業を繰り返します。  別のレイヤーを作ってトライ!。.
勿論、全然 駄目なもの は、残して置く必要はありませんが ... 。

  もし、複数の違う色目を弄っている場合には、2. ~ 5. の作業を繰り返します。
  1. で色分けした選択範囲のレイヤーが作ってあれば、何時でも、その色域から選択範囲が 呼び出せ ます。

注意点を。
色付けは、対象の明度(濃淡) に.左右されます。
   2番目の図 右下:描画色 の例で、元の色(その左上の四角)に対して薄く着色されているのに着目して下さい。
   スライダーで調整しても思った色にならない時への対処法は、
   対象画像(選択範囲レイヤー)のコントラストを調整するか、対象の色を更に濃く (or 薄く) するか、です。
色見本と選択範囲とは合成されます。  言い換えれば、双方が重なる部分から、色が抽出されます。
   3. の作業で、 欲しい色が多く選択範囲に含まれる様に、色見本のレイヤーを移動させて、調整します。


6. 元絵とサンプル色付けを重ね合わせた画像を別保存
満足した加工編集になれば、元画像 と サンプル色付け レイヤー とを表示し(重ね合わせ)て、
結果画像として、別途、保存します。

保存時の拡張子は .jpg ですね。
編集時の .xcf ファイルも残してあれば、何時でも、作業を継続出来ます。  但し、保存で、操作の履歴は削除されますが。


この例での、編集画像の全レイヤー構成を。  左がこの例。 右が4枚の田形の絵の作業時。 レイヤー名に作業の要点を記して残しています。.

 今回の例



   右図では、説明用のレイヤーが混ざっていますので、別画像とか 参考とか 文字レイヤーとか は無視して下さい。



[2015/04/29] 暫定公開。  ゴールデンウィークですので、トライする方の為に、書き掛け原稿を、公開。  修正の可能性あり。

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