2015年6月3日水曜日

GIMP 芯を残してぼかす

通常、画像(写真)は、ピントが合っているか いないか、ですよね。
画像編集で、合焦したものを ぼかしちゃうと、何が写っているのか 分んなくなっちゃう。
普通は、その為に、ぼかし を入れるのですが ... 。
極稀に、ぼかしたいけれど、少しは分る様にもしたい なんて無茶苦茶な欲望に駆られます。


勿論、ぼかしの程度を抑えれば、判別出来ます。
大きくぼかしながら、元のイメージも残したい。  そんな矛盾に満ちた欲望 ... 。

でも、GIMP を使えば、芯を残してぼかす と言う芸当も出来ます。

例えば、廻りに ぼやっと 滲んだ影(像)を加えて、効果的に表現したい とか。
例えば、ぼかして一見は分らなくても、よく見れば何かが分る様にしたい とか。
出番は少ないと思いますが、覚えておけば、表現の幅が広がると思います。

さて、汎用の画像編集ソフトの特徴は、レイヤーの仕組みによって、画像を重ね合わせる事ですよね。
この時、レイヤー順に留意して、あるレイヤーの透明度やモードを変える事で、様々な表現が可能になります。

ですから、同じ画像を2枚重ね合わせて、上の部分を 部分透過 プラス 特殊効果 で編集する事で、
芯を残してぼかす が達成出来ます。

もう少し具体的に書きましょう。
上のレイヤーにおいて、
部分透過の設定は、レイヤーマスクで、
特殊効果の設定は、画像そのもので、
加工を行います。

GIMP にお詳しい方なら、もう、お分かりですよね。
では、早速、やって見ますか。            次の絵を弄って見ます。.

既投稿の  GIMP レイヤーマスクを使いこなそう  も参考にして下さい。  同じ原画を、ひとつのレイヤーで操作した例です。.
   この例と 今回の例との 違いは、
   この例は、原画を直接操作せず レイヤーマスクのみで加工し 白背景で見せるのに対し、
   今回の例は、コピーした原画を加工し レイヤーマスクも加え 原画と重ねて見せている点です。   

  1. 元画像を開く
  2. 元画像をコピーし、レイヤーを複製する
  3. コピーに ぼかしのフィルターを適応する  この例では 50px ガウシアンぼかし
  4. 新規レイヤーを作り、透過用にグレースケールの画像を作る  原画の直上がお勧め
  5. コピーしたレイヤーに レイヤーマスクを追加し、編集モードにする
  6. レイヤーマスクにグレースケールの画像をコピー(貼り付け)する  必ず編集モードで
  7. グレースケールのレイヤーを不可視に切り替える 
  8. レイヤーマスクで編集から表示にモードを切り替える 
  9. 出来上がりの画像から、.jpg ファイル等に保存する

作業のコツは、4. グレースケール画像 で、
黒に近い程、透明(ぼけ た画像が反映されない つまり 元のまま)で、
白に近い程、不透明(ぼかした 画像が上に被さる つまり、ぼかした 画像に置き換わる)、
と言う点です。
灰色の部分は、透明になる要素を併せ持っていますので、
灰色が濃くなればなるほど、下(原画) の様子が分りますし、 ぼけ も うっすらと ~ ある程度はっきりと 乗って来ます。
純白と純黒は、重ね合わした各々の画像のみになりますので、
これらを避け、中間の灰色でグレースケールを作ると印象的になります。  (重ね合わせる2枚が混ざり合う。)

  この例では、ブレンドを使って、描画色から背景色への双線形の画像を作りましたが、
  背景色を白(v:100 HTML:#ffffff) から 極淡い灰色(v:95 HTML:#f2f2f2) に変える事で、柔らかさを狙っています。
  つまり、重ね合わせた時、下の原画がそのまま見える場所は一切ない事になります。
  もう少し、明度(v の値)を下げた方がいいのかも知れません。
  更に、描画色を黒(v:0 HTML:#000000) から 極濃い灰色 に変える事で、ぼけ も 100 % 採用ではなくなります。
  この辺りは、色々と 明度の値を調整しながら 試行錯誤して見て下さい。


注: 単に、部分的にぼかす時は、こんな面倒な事をせず、 選択範囲を作って、そこだけ、フィルターを適応して下さい。


さて、レイヤーの構成は次の通りです。
下から2枚目のレイヤーは、説明用のもの ですので、普通は3枚になります。
          3枚目の レイヤーマスク ブレンド の位置は、ここでも、最上部でも OK です。  作業用ですから。

上に示した図は、上から 原画(一番下のレイヤー)、原画をぼかして透過したもの(一番上のレイヤー+白背景)、
そして、完成したもの(一番下と一番上のレイヤー) です。



具体的な操作手順は省きましたが、
グレースケール画像を作る時に、そのレイヤーの不透明度を下げたり、画像モードをスクリーンに変えたりするといいです。
原画が見える事で、 グレースケールを作成する時の 位置(座標・ポイント)が分りますから、 作業がし易いです。
元に戻さなくてもOK です。
グレースケールをレイヤーマスクに設定する場合の 作業手順 を簡単に おさらい して置きましょう。  前述の作業 6. に相当。.
  編集 > コピー でクリップボードにデータ転送し、
  レイヤーマスクを有するレイヤーで レイヤーマスクを表示 > レイヤーマスクを編集 にし、
  貼り付け > レイヤーを固定 すれば、
  レイヤーの不透明度や画像モードに係りなく、レイヤーマスク の場所に画像が複製されます。
     操作を間違うと、原画の部分に複製されたりしますが、 その時は、履歴で戻るか、キーボード Ctrl+Z で やり直し を。
     上のレイヤー構成の 画像アイコン の 様に (左:加工した原画 右:グレースケール)、なっていれば OK 。


慣れる迄は大変かも知れませんが、 マスターしてしまえば、表現の幅が かなり 拡がります。
是非、トライを!。



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