2015年7月5日日曜日

写真と三原色 (其の弐) [初心者向け]

前回の 写真と三原色 (其の壱) に引き続き、 三原色についてです。
三原色から作られる色について、ふたつ ほど、書いて見ましょう。
白や黒の表現と、 露出アンダー・オーバーについてです。


先ずは、 おさらい。

写真は、RGB の三原色(光の三原色)で記録されている  ベースは黒
印刷は、RGB の各補色の CMY で行われる    ベースは白
記録されている RGB の範囲は、可視光線すべてを表現出来る訳ではない
印刷や加工編集の各処理の段階で、失われる情報もある

ちょっと、切り口が違うので、書き方も異なっていますが、 そんな感じでしたね。  更に、こんな事も書きました。

そして、 RGB にふたつの規格(色空間) があって、 sRGB と adobeRGB とがある  adobeRGB の方が範囲が広い
また、 adobeRGB の場合、全ての処理を、それ専用の設定で統一して置く必要がある



さて、 前回 写真と三原色 (其の壱) にも ご紹介しました リンク ですが、
RGB の範囲を説明した、 三角形の図 は有名ですので、 何処かしらで、ご覧になっている事と思います。

  参照 URL : https://en.wikipedia.org/wiki/Adobe_RGB_color_space  Comparison_to_sRGB  2番目の図 adobeRGB vs sRGB 

緑から青に掛けての表現域が adobeRGB で広い説明の時に よく使われますね。

でも、不思議に思われた事はないですか?。
実際に写真を撮って見ると、赤も緑も青も もっと はっきりと 写ってる のに ...  って。



そうです。  この三角形の図は、実は 黒が背景色で、三角形の外に 黒と混ぜ合わせた(黒に近付く) 色域があるのですね。

ちょっと、実験して見ましょうか。
前回の 三原色は 各原色 100% で重ね合わせたものですが、 これを 0 ~ 100% の 斑(まだら)模様 にすると ... 。
こんな感じですね。


光の三原色 RBG

色の三原色 CMY

光の三原色 RBG

色の三原色 CMY

実に、多彩な色が出て来ますし、 各々の原色の濃いものもありますね。
また、RGB で、中央部 白 だった部分が とても、カラフルになっている、 のに気付かれましたか。
更に、CMY で、中央部 黒 だった部分に 黒はなかなか出て来ません。
写真の大部分の色は、この様に、三原色の要素を持つ色なのです。

    前回の図を元に加工しましたので、各原色が重なる部分が小さくて、誤解を招くかも知れません。
    飽く迄も、イメージ的なものとお考え下さい。
    本来なら、大きく図示して、更に細部を 目を皿の様にして 覗き込む のが一番ですが ... 。
    そう、 図をクリックして戴くと、拡大してご覧戴けます。 .

また、各々のベース部分の 白と黒の部分は、結構、範囲が広いのですね。
各要素が、ほんの少しずつ入っても 黒 ですし、 白と言っても様々な色があります。

以下、RGB に限定して見て行きます。

 良く見ると、真っ白を探すのが 大変 ですね。
 それに較べて、黒の部分は円の中に入り込んでいます。

 良く、撮影時に、 アンダーは救えてもオーバーはどうにもならない なんて聞いた事ありませんか。
 白飛び・黒潰れ と言われる 白飛び の 事ですね。
 所謂、色飽和 と言って、真っ白なデータは 各要素が最大値周辺で 加工しても 諧調が取り出し難くなります。
 各要素の純色でも同じ事が言えて、 赤潰れ が代表的ですね。
 各々の要素の最大値付近では、諧調が無くなって、べたっ と潰れた感じで記録されます。

 序でに、諧調推移での色転びの現象も、 この三原色が原因で発生しますが、
 難しくなりそうなので (上手く説明出来ない!) 、ここでは触れません。
      色転び と言うと、 通常、印刷時の問題が取り上げられますが、 撮影時にも起こります。
      適正なホワイトバランスを選択していても、 色の諧調が変化して行く途中で、別の色が強く出る現象ですね。
      印刷時に言われる K の活用は RGB では不可能で、この3色で分解する限り、難しいのでしょうね。

ここで注目すべきは、RGB で 白 で記録される情報は かなり 少ない範囲に留まっている と言う事です。
言い換えれば、RGB を値で記録して色を表現する写真において、
白 になってしまうと、  救い様が無い 事態に陥っている (現像や編集で加工や救済が難しい) 事が多いです。

  因みに、灰色(グレートーン) は、RGB の各値が等価(あるいは近似)になった状態です。
  その値が 0 に近ければ 濃い灰色で、 255 (最大値 ; 普通の .JPG 等での値) に近ければ 薄い灰色になります。

勿論、黒潰れ も、出来れば、避けたいですよね。



撮影時の露光値決定と言う観点からは、
可能な限り、適正露光となる様に、留意すべきは当然ですが、
露出補正において、 アンダーより オーバーの方が リスクが高い 事は、 頭の片隅に置いて置くべきかも知れません。




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